Satocomedyの人生驚いた  

低血糖症を煩い、人生ガラリと航路変更。仕事休職→退職からいきなりサンフランシスコでの生活に挑む!年の差国際結婚。アフロで凸凹な日常。

Roots of Freedom:アフリカン・アメリカンの為のセレモニーに参加して

リンチという言葉を知っているだろうか?

 

デビット・リンチ監督のことではありません。あしからず。。

 

ボコボコにされて、時には命を奪われてしまう、そのリンチです。

 

この言葉を久しぶりに聞いたのは、サンフランシスコに来て最初の英語クラスの日、ビリー・ホリデーの Strange Fruit(奇妙な果実)を題材に、アフリカン・アメリカンの悲惨な歴史について授業で学んだ時だった。

 

Lynchy(リンチ)、これ、法ではなく、私刑に依って殺すということ。

 

多くのアフリカン・アメリカンが、人種差別という私刑で木に吊るされた。これを歌ったのがこのStrange Fruit。

 

 

こちら、ビリー・ホリデーの歌とともに、リンチ、そして当時の人種分離の状況がわかる動画です。

www.youtube.com

 

お天気のとある土曜日。

 

白の衣装で正装をして、サンフランシスコから車で40分位、オークランドの公園に向かった。

 

マウント・シャスタに行った時におじーにかかってきた電話がきっかけで、我々は、アフリカン・アメリカンの為のセレモニーでアフロヘイシャンのドラムを演奏するという機会を得た。セレモニーの主催者の1人である、おじーのアフロキューバンのドラムの先生がおじーに声をかけてくれたのだ。

 

自分がお世話になった先生の為に、と、即答で引き受けるおじー。自分の先生からの電話にとても嬉しそうにしていた。

 

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祭壇が設けられ、この祭壇を中心に、演奏や踊りが繰り広げられた。

写真は、白人女性に口笛を吹いたというだけで吊るし首にされてしまった青年、Emmett Till(エメット・ティル)

 

 

キューバのバタドラムの演奏と歌に導かれて、セレモニーが始まった。

 

 

年配のネイティブ・アメリカンの方が地球・大地についてのスピーチをされた後、同じブラックではあるけれど、宗教や信仰が異なる人達、アフリカン・アメリカンのコミュニティーで活動する人達などが、祝福の言葉や歌、踊り、演奏を行う。

 

歌いながら涙が止まらないシンガー、泣き崩れてしまった年配の女性、そして、このセレモニーの力強さに胸を打たれ、やはり涙が止まらない司祭。

 

これまでに、素晴らしいミュージシャンの素晴らしいパフォーマンスをたくさん見てきたけど、それとは全く次元が違うものを目の当たりにした様な気がした。おじーがよく言っている「スピリット」という言葉の領域のものなのかもしれない、とふと思う。

    

ちなみにこのセレモニーの関係者で、アフリカ系ではないのは私だけ。

 

私はおじーの妻ということで、今回、一緒に演奏させてもらうことができたのだけど、でもやっぱり私には入れない域というのを感じる。良い・悪いということでなく、これが「違い」ということなのかもしれない。尊敬の念を持ってただその場にいるということしか、私にはできない。

 

アフリカ系に対するリンチは終ってはいない。木に吊るされることは無くなったかもしれないけど、警官によって銃殺、暴行されるというリンチは、今もまだ続いている。

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警官によって射殺されてしまった若者達。何人かはまだ10代の内に殺されている。サンフランシスコのJuneteeth Celebrationの会場に置かれていた写真。
(Juneteeth Celebrationとは、奴隷解放宣言をお祝いする、アフリカン・アメリカンにとっては大切な日。6/19の前後の日程で、全米あちこちの街、コミュニティーでイベントが開催されている。)

 

おじーも昔、白人男性3人に、道を歩いていたらいきなり暴行されたことがあると言っていた。その時はおじーがこの3人組をやっつけたらしいけど(すごいね、おじー)、アフリカ系であるということは、悲しいかな、何かの拍子に暴力のターゲットになってしまうということ。死に至らしめられるまでいかなくとも、警官だけでなく、何時、何処で、誰かに襲われるかなんて分からないのだ。。

 

 

何もしていない人を撃ったり、暴行したりすることがどうしてできようか?

 

アメリカの人種差別は、すでに私の理解の範囲を超えてしまっていて、もはや想像することもできない。。。

 

 

まずは自分の家族、関わりある人たちが、安心して健やかに生活してくれていることをお祈りしつつ、微力ではあるけれど、混沌の日々の中にあっても、出会った人に良いエネルギーを感じてもらえる様な自分でありたいなと。それが、今のところ、私にできるポジティブなアクションなのかな・・と思っています。

 

 

スカーンと晴れた青空の下、大きなお尻を揺らしながら踊っている愛しきアフリカン・アメリカンのシスター、ブラザー達。たくさんの感情と流れた涙は、祈りと共に、セレモニーに集まった人々の輪の中で浄化されていったのだろう。セレモニー後は、皆がビック・スマイルを浮かべていた。

 

 

とても強い、美しい、美しいセレモニーだった。

 

 

肌の色も育ってきた環境も全然違うけど、私は自分がこのコミュニティーにいることを光栄に思っている。強さ、優しさ、そして、生きる力を常に示してくれるアフリカン・アメリカンのシスター、ブラザー達に、心からの尊敬の念をおくります。

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皆と一緒に踊る私。呼ばれて、輪に入れて頂きました〜。

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まだまだ痩せっぽちなんですけど、ちょっとドラム筋(腕の筋肉)ついてきました〜。これでも。